夫婦関係について
結婚すると、夫婦は法律上さまざまな権利や義務を持つようになります。日々の生活ではあまり意識されないことかもしれませんが、いざという時のために、基本的な法律知識を知っておくことはとても大切です。
また夫婦関係には、日々の生活の中では表に出にくい悩みやトラブルが潜んでいることがあります。
「配偶者の態度が冷たい」「浮気をしているかもしれない」「離婚後の子どものことが心配」など、悩みのかたちは人それぞれです。
夫婦の法律上の義務とは?
民法では、夫婦は互いに同居・協力・扶助の義務を負うと定められています。これは、生活を共にする中でお互いを支え合うことが前提とされているためです。
また、夫婦は原則として財産を共有することになりますが、結婚前に築いた財産は「特有財産」として個人のものとされます。
結婚後に得た収入や購入した財産は、原則として「共有財産」とみなされます。
離婚の方法とポイント
夫婦関係が破綻し、やむを得ず関係を解消する際には、離婚という選択をとることとなります。
離婚は、感情的な問題だけでなく、財産・子ども・生活基盤など多くの要素が絡むため、冷静かつ法的な視点が必要です。
日本では、以下の3つの方法があります。
- 協議離婚:夫婦間の合意による離婚(もっとも多い)
- 調停離婚:合意できない場合に家庭裁判所で調整
- 裁判離婚:調停でも解決しない場合、裁判によって決着
離婚する際には、「財産分与」「養育費」「慰謝料」「親権」など多くの取り決めが必要です。
特にお子さんがいる場合、親権や面会交流などに関する合意が重要です。
不貞行為と慰謝料請求
「配偶者が浮気しているかもしれない」という不安を抱えて相談に来られる方も少なくありません。
不貞行為(浮気・不倫)は法律上の「離婚原因」にあたるだけでなく、慰謝料請求の対象にもなります。
慰謝料を請求するには、以下の点を証明する必要があります。
- 配偶者と第三者の間に肉体関係がある
- それによって、夫婦関係が悪化または破綻した
- 不倫相手が既婚者であると知りながら関係をもった
慰謝料の金額は、ケースによって異なりますが、100万円〜300万円程度が目安です。
証拠の収集や請求方法には注意が必要ですので、弁護士に早めにご相談ください。
親権とは ― 離婚後の「子どもの生活」をどう守るか
お子さんがいるご夫婦が離婚する場合、「親権をどちらがもつか」は最大の争点となることがあります。
現時点においては、離婚後はどちらか一方しか親権を持てない「単独親権」制度が採用されています。
親権には次の2つの側面があります。
- 身上監護権:子どもの世話や教育、住む場所の決定など
- 財産管理権:子ども名義の財産や契約等を管理する権利
一般的には、子どもと一緒に生活してきた側、生活環境が安定している側が親権を得やすいとされますが、あくまで「子の福祉」が最優先されます。
また、親権を持たない側にも「面会交流権」があり、離婚後も子どもとの関係を維持することができます。
面会頻度や方法については、離婚時にしっかりと取り決めておくことが大切です。
感情ではなく「未来のための判断」を
夫婦関係の問題は、当事者にとって非常につらいものです。
しかし、感情だけで判断してしまうと、後々さらに大きな後悔を抱えることにもなりかねません。
不貞行為に対する慰謝料請求、財産の分け方、そしてお子さんの将来に関わる親権――。どれも法律的に整理すべき重要な問題です。
当事務所では、離婚・不貞・親権をはじめとする夫婦問題に幅広く対応しています。
プライバシーに配慮し、安心してご相談いただける環境を整えています。
「離婚するかどうか迷っている段階」、「証拠があるかどうか分からない」、「子どものことが心配」など、どのようなご相談でも構いません。
未来を守るための一歩として、お気軽にお問い合わせください。