ご依頼者様のプロフィール
ご依頼者様:お母様と娘さん2人
被相続人:お父様
相手方:息子さん(海外在住)
相続財産の内容
実家の土地・建物:約1,000万円
金融資産:3,500万円
合計:約4,500万円
ご相談のきっかけ
もともと、ご家族の中で息子さんは、妹さんたちやお母様との関係があまり良好とは言えず、年に数回帰国されるものの、その行動がご家族を困らせる場面が多くありました。
特にお父様の体調が悪化し、病院でのリハビリや自宅介護が始まった際には、病院や家族で決めた治療方針を覆す行動をとるなど、善意ではあっても家族全体の負担になってしまっていたようです。
当時のお父様の日記にも、そのような悩みが記されていました。
そしてお父様のご逝去後、相続を巡りその息子さんと大きなトラブルに発展。
妹さんたちとお母様は「このままでは冷静に話し合いができない」と判断し、当事務所にご相談くださいました。
相手方(息子さん)の主張
息子さんは、
- 「自分が海外から年2、3回帰国して介護を手伝ったことで介護費用が浮いた」として寄与分を主張
- お母様が生活費としてお父様の口座から引き出していたお金を「生前贈与を受けた特別受益だ」と主張
さらに、帰国時の旅費・土産代・外出費用などの領収書まですべて保管し、調停でも提出してきました。
この様子からも、数年前から相続を有利に進めるため準備していたことがうかがえる状況でした。
ご依頼者様のご希望
息子さんとの直接のやりとりは避け、弁護士にすべて任せて法定相続分どおりに遺産を分けたい、というご希望でした。
当事務所の対応
当事務所の弁護士は、相続分については法定相続分に基づく遺産分割を主張。
療養看護型の寄与分については、
- お父様の病院での介護はすべて病院がおこなっており、自宅介護もお母様が中心だったこと
- 息子さんの行動は善意であったとしても、通常期待される範囲の貢献を超えるものではなく、結果として遺産の増加に寄与したとは認められない
と丁寧に主張しました。
結果
全面的に当事務所の主張が認められ、法定相続分通りに遺産分割を行うことに成功しました。
ご依頼者様も「ようやく安心できた」と大変喜ばれていました。
担当弁護士のコメント
今回のように寄与分を主張されるケースは少なくありません。
心情的には理解できる部分もありますが、過剰な請求や無理な主張をすれば、かえって他の相続人との対立を深める結果にもなります。
相続問題は感情も絡みやすいものです。
だからこそ、法律と事実に基づいた冷静な対応が重要です。
もし相続のことで「うまく話し合いができない」「相手の主張に納得がいかない」と感じたときは、ぜひ一度ご相談ください。
私たちが冷静に状況を整理し、ご依頼者様の立場を守るサポートをいたします。