いま急増するカスハラ被害
「カスタマーハラスメント(通称:カスハラ)」という言葉、最近よく耳にしませんか?
これは、サービス業だけでなく、製造、IT、不動産、医療、介護など、あらゆる業界で深刻な問題になりつつあります。
特に対人対応の多い現場では、顧客や利用者、その家族からの理不尽な要求や迷惑行為によって、スタッフが心身ともに疲弊するケースが増えています。
実際、ある調査では約7割の接客従業員が何らかのカスハラ被害を経験したと報告されています。
「カスタマーハラスメント」とは?
カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先などが、社会通念上行き過ぎた要求や迷惑行為を行い、従業員の就業環境を著しく害する行為のことを指します。
例えばこんなケースが該当します。
- 大声で怒鳴り、侮辱する
- 長時間にわたりクレームを繰り返す
- 暴力的な言動、脅迫
- SNS等での誹謗中傷
- 金銭や物品の要求
こうした行為は、受けた従業員の心身の負担になるだけでなく、会社全体の生産性低下や評判悪化にもつながりかねません。
カスハラが起こる背景
カスハラの背景には、次のような社会的要因があります。
- 「お客様は神様」という過剰な顧客至上主義
- サービス競争の激化による「なんでも言えば通る」という誤解
- 企業側の過剰なクレーム対応姿勢
- インターネット・SNSの普及による匿名性の高さ
- 社会的ストレスのはけ口として、顧客の立場を利用する行為
どの業界でも、こうした背景からカスハラは発生しやすくなっているのが実情です。
カスハラ対策を怠ると、どんなリスクがあるのか?
カスハラを放置した場合、企業には次のようなリスクが生じます。
1. 生産性の低下と人材流出
従業員が心身ともに疲弊し、退職者が続出。採用難の今、人材の定着は大きな経営課題です。
職場環境が悪化すれば企業イメージも損なわれ、新規採用も困難に。
2. 労災・賠償リスク
もし従業員がカスハラで精神疾患を発症し、労災認定されれば、企業の安全配慮義務違反として損害賠償責任を問われる可能性もあります。
弁護士に相談するメリット
このリスクを防ぐために有効なのが、弁護士への相談・依頼です。
弁護士に相談することによって、以下のようなメリットがあります。
クレームへの適切な対応方法がわかる
「これは応じるべき内容か」「断るべき要求か」の線引きはとても重要です。
弁護士に相談することで、適切な対応策が明確になり、現場の負担を軽減できます。
弁護士が窓口になり、現場の負担を軽減できる
不当なクレームや行き過ぎた要求については、弁護士が代理人として直接対応することも可能です。
これにより現場の精神的負担を減らし、従業員の離職防止にもつながります。
メンタルヘルス対策・人材定着に効果
カスハラによるストレスを未然に防ぐことで、従業員の働きやすい職場づくりが実現します。
カスハラ対応の体制づくり、今こそ見直しを
カスハラは、すべての業界に潜むリスクです。
今の時代、「顧客の理不尽」から従業員を守るのも経営者の重要な役割になっています。
弁護士と連携し、社内のルール整備やクレーム対応の体制を整えることで、職場の健全化と人材の定着、そして経営の安定を図りましょう。
もしご興味があれば、当事務所ではカスハラ対応に関するご相談も随時受け付けております。お気軽にご相談ください。